2020 年 11 月 4 日 水曜日

あと施工アンカー

あと施工アンカーとは、
打設後のコンクリートに何かを取り付けたり、固定するときにはボルトや鉄筋を使用しますが
そのボルトや鉄筋は打設後のコンクリートに穴を開け、『アンカー』と呼ばれる金属や接着系樹脂を埋め込んで固定されます。その工事のことを【あと施工アンカー】といいます。
あと施工アンカーは、広く普及していますが、施工不良や既設コンクリートに問題があると、抜けてしまう可能性があります。
そのため、あと施工アンカーでは引張強度等を満たしているかを確認する試験及び検査が極めて重要となります。

あと施工後の試験及び検査は、施工計画書通りに施工が行われているか否かを、あと施工アンカー施工業者が自主的に検査するものであります。
「自主検査」は接触や打音による簡便なもので、加力測定装置を用いるものは「立合い検査」として大別されます。

20201024-110425 20201024-110303 20201024-110343 

20201026-101835 20201026-105602 20201026-103535

<自主検査>
接触・打音による検査で、原則としてアンカー全数を対象として行います。接触検査では、検査員は使用したアンカーの種別・径・施工位置・本数・角度・母材からの突出寸法などを必要により計測器等を用いて、施工計画書(設計図)と照合しながら、または施工確認シートを参照しながらアンカーを直接手で触り、アンカーの固着状態(がたつきの有無、接着剤の硬化状態)を判定します。
打音検査では、検査員はアンカーの出代部分をハンマー等で叩いて、その打撃音が金属音(高い音)か濁音(鈍い音)かにより、アンカーの固着状態を判定します。
<立合い検査>
あと施行アンカー引張試験加圧測定装置を用いた試験で、本設のアンカーを対象とした非破壊試験と試験用に設置したアンカーを対象とした破壊試験とがあります。なお、非破壊試験は原則として変位は測定しません。
これらは、施工責任者が必要と判断した時に行うもので、その場合は現場責任者に指示して実施します。
 非破壊試験では、施工した全本数の0.5%以上または3本以上を対象として引張加圧試験を行います。
加圧は、一般には設計用引張強度に等しい荷重、または耐震補強工事の場合には予想破壊荷重の2/3を検査荷重とし、この荷重に対してアンカーが抜け出し等の過大な変形を起こさずに耐えられれば合格とされる。これらは、日本建築防災協会で定められている方法で予想破壊荷重とは、同協会の提案式で計算した値をいいます。
(社)日本あと建築あと施工アンカー協会(平成17年2月)版より抜粋