2020 年 10 月 16 日 金曜日

コンクリートの中性化

中性化とは、二酸化炭素によって生じる
鉄筋コンクリートの劣化の一つです。
コンクリートの主成分がセメントであるため内部はアルカリ性ですが、
大気中の二酸化炭素がコンクリート内に侵入することによって
中性になると鋼材の不動態被膜※が失われてしまい、
鋼材を腐食させ腐食生成物の体積膨張により、コンクリートの
ひび割れ・剥離を引き起こし、耐荷力など構造物の性能に低下が生じます。
また、ひび割れが発生したコンクリートは更に二酸化炭素の侵入を促すため、
中性化によるコンクリート構造物の劣化、雨水等の浸入による鉄筋の腐食を
加速させてしまう可能性があります。
一般的に湿潤状態より乾燥状態の方が中性化の進行は早いと言われています。
※不動態被膜とは、強アルカリ性のコンクリート内にある鉄筋の表面に形成される
 ごく薄い酸化被膜のことで、発錆を防ぎます。

【 中性化による問題 】
中性化が進行し、コンクリート内部の鉄筋の位置まで到達
     ↓
鉄筋の不動態被膜が破壊される
     ↓
鉄筋の腐食が進行する(錆の発生)
     ↓
錆により、鉄筋断面積が小さくなる
     ↓
錆により、膨張圧が発生しひび割れ及び
表面の剥離が起こる
     ↓
発生したひび割れにより、鉄筋の腐食を助長

ひび割れ、表面剥離の損傷を見ただけでは、
原因が中性化によるものかは判断できませんので
中性化試験によって判断します。