2020 年 3 月 24 日 火曜日

引張試験【鉄筋】

鉄筋の引張試験は
材料の強度を測定する最も基本的な試験です。

試験方法は、一定の伸びを試験片に与えたとき、
どの程度の大きさの抵抗力を示すかを連続的に
伸びを与えて調べるものです。

鉄筋を引っ張って塑性変形※が進行すると、
表面の塗装に細かいひび割れが入り、剥げ落ちてきます。
これは塗装が大きなひずみに耐えられなくなるために起こります。
更に鉄筋の引張最大強度を超えると、どこか一か所にくびれが生じてきます。
くびれた箇所だけに限って言うと、鉄筋は最初の長さの2倍近くに達しています。
たまたま弱い箇所に塑性変形が集中するのです。そこでは原子間のすべりに
よって鉄筋の断面が細くなってゆき、くびれます。くびれ以外の箇所では
塑性変形は進行せず逆に除荷(つまり弾性縮み)が生じます。
※塑性変形(ソセイヘンケイ)
物体に外力を加えて変形させ、その後外力を取り去っても残る変形
外力の大きさが弾性限界を超えた場合に生じる
くびれがある程度進むと、最後は破断する。
破断面を見ると45度方向にすべった形跡が観察できる。