あと施工アンカー引張試験
アンカー施行後の試験および検査は、施工計画書通りに施工が行われているか否かを、あと施工アンカー施工業者が自主的に
検査するものである。
「自主検査」は接触や打音による簡便なもので、加力測定装置を用いる大がかりのものは「立合い検査」として
大別される。
なお、管理者が試験・検査を予定しているのであれば、そのときの方法を模して行うのが効率的である。一般に、あと施工
アンカー施工業者が行う検査は「自主検査」で目視検査・接触検査・打音検査である。管理者が行う試験項目に加力試験が含まれている
場合には、あと施工アンカー施工業者は加力試験を自主検査の項目に加えておくことが望ましい。
接着系アンカーは、接着剤の硬化に時間を要するので、硬化時間を考慮して所定の強度が発現してから試験・検査を行います。
自主検査
接触・打音による検査で、原則として、アンカー全数を対象として行います。
接触検査では、検査員は使用したアンカーの種別・径・施工位置・本数・角度・
母材からの突出寸法などを、必要により計測器等を用いて、施工計画書(設計図)
と照合しながら、また、施工確認シートを参照しながら、アンカーを直接手で触り、
アンカーの固着状態(がたつきの有無、接着剤の硬貨状態)を判定します。
打音検査では、検査員はアンカーの出しろ部分をハンマー等で叩いて、その打撃音
が金属音(高い音)か、濁音(鈍い音)かにより、アンカーの固着状態を判定します。
立会い検査
加力測定装置を用いた試験で、本設のアンカーを対象とした非破壊試験と試験用に
設置したアンカーを対象とした破壊試験とがあります。
なお、非破壊試験は、原則として、変位は測定しない。これらは、施工責任者が必要と判断した時に行うもの
で、その場合は、現場責任者に指示して実施する。
非破壊試験では、施工した全本数の0.5%以上または3本以上を対象として引張加力
試験を行う。
加力は、一般には設計用引張強度に等しい荷重、また、耐震補強工事
の場合には予想破壊荷重の2/3を検査荷重とし、この荷重に対してアンカーが抜け出
し等の過大な変形を起さずに耐えられれば合格とする。これらは、日本建築防災協会
で定めている方法で、予想破壊荷重とは、同協会の提案式で計算した値をいう。
(社)日本あと建築あと施工アンカー協会(平成17年2月)版より抜粋