鉄筋腐食度・コンクリート中性化試験(ハツリ調査)
鉄筋腐食度・中性化試験
コンクリート打設当時は、強いアルカリ性ですが建築直後から、築数年~数十年経った建物は初期段階からの施工不良や経年劣化・酸性雨 ・排ガス・スモッグ・塩分等の影響で年と共に表面から徐々に中性化していきます。
コンクリートがアルカリ性を保っている間は鉄筋を保護しますが、中性化が進むと内部鉄筋の腐食が早まり、鉄筋の劣化が起こり、鉄筋 が錆びてくると体積が膨張し、周囲のコンクリートにひび割れを発生させ たり、カブリ部分の剥離をまねくことになります。
このため鉄筋腐食の診断では、中性化の進行状況や、塩化物の浸透・含有量を調査し、腐食状況 を把握した上で、必要な対策を講じていきます。
ハツリ調査~改修工事までの流れ
ハツリ前
ハンディサーチを用いて探査を行い、鉄筋位置を調べます。
ハツリ後
構造物の柱・梁からハツリを行った状況です
鉄筋腐敗度・中性化
鉄筋・中性化試験調査の状況です
埋め戻し
ハツリ跡にセメントを埋め込み、綺麗に修復した状況です
塗装仕上
最後に塗装を行います。塗装終了後、修復作業終了になります
中性化試験(フェノールフタレイン法)
フェノールフタレイン溶液をハツリ面または割裂面に噴霧し、中性化の深さを測定します。
中性化したコンクリートは赤色には変化しません。 下記写真は中性化試験と中性化前に鉄筋 のかぶりの厚さ測定・鉄筋径の測定状況になります。
目的
外壁(コンクリート打ち放し・モルタル塗り・タイル貼り)の中性化の進行度合いを測定する。
概要
コンクリート打設当時は、強いアルカリ性である。しかし、雨・炭酸ガス・塩分等の影響により経年と共に表面から徐々に中性化していく。
コンクリートのアルカリ性質は鉄筋を保護するものであるが、中性化が進行すれば鉄筋に到達し、やがては鉄筋の発錆を導く。従って、コンクリートの中性化は、建物にとって極めて重大な故障といえる。
方法
鉄筋探査レーダー等にて、鉄筋の位置を確認し、モルタル、コンクリートを鉄筋まで斫る。粉塵などを清掃した後、フェノールフタレイン溶液を塗布し、変色域を把握する。この時、変色しない範囲が中性化進行している範囲である。
結果
現地調査による数値を基に中性化の進行度合いを算出する。
付着力測定試験(建研式引張試験器)
目的
既存仕上塗材及びタイル付着力の劣化度を判定する。
概要
既存仕上塗材等の劣化度を判定する基準の一つとして、仕上塗材等と下地との接着力(付着力)を測定する。この結果は、補修塗替え時の仕上材のケレンの程度を検討するデータとなるとともに、建物に発生する各故障の原因を考察する際の重要なバックデータとなる。
方法
任意に調査個所を選定し、エポキシ系接着剤にてアタッチメントを取り付け、更に、アタッチメントと本体を接続し、油圧にてアタッチメントを引っ張り、アタッチメントが外れた時点(塗膜・タイル剥離)の数値を読み取る。
結果
試験によって得たデータを基に、既存仕上材の劣化度を判定する。