アスベスト除去工事
アスベスト(石綿)は、1本が髪の毛の5,000分の1と非常に細い天然の鉱物繊維のことです。 耐熱性・電気絶縁性などに優れており、しかも安価であったため、日本では建築資材や電気製品、自動車部品など至る所で 活用されてきました。
しかし、アスベストは天然資源としてあらゆる製品に重宝されていましたが、作業中に目に見えないアスベスト粉塵が飛散して 人が吸入してしまう恐れがありました。
そしてこの数ミクロンの粉塵を吸うと針状のアスベストは肺に突き刺さり、肺がんや中皮種、肺が繊維化してします肺繊維症(塵肺) という病気を引き起こしてしまうのです。肺繊維症(じん肺)はアスベスト粉塵を10年以上吸引した作業員に多く起こる傾向にあり、 潜伏期間は15~20年で発病すると言われています。
結果、アスベストが原因の死傷者数日本で3,000人、アメリカでは2万人とも言われ、その被害は今も広がっています。
事前調査・診断~作業レベルを確認
石綿はその特性から多くの建築物で使用されていますが、主原料の種類及び 製造方法などによって用途と性能が異なります。
石綿含有建材等を使用した建築物、工作物などの解体等の作業におけるばく露防止策は、石綿粉塵の 発生量に応じたレベルごとに決めるもので、そのレベルの分類は解体される建材の種類・石綿の含有量などにより異なります。
その内容に応じて当該石綿等の除去、封じ込め、囲い込み等の措置を行います。図面や書類などの確認をし石綿が含まれている 建築材料が何処にあるかを把握、図面・書類による調査で石綿が使用されているかどうか解らないときは、 現場を調査しますが現場でも石綿が含まれているかどうか解らないときには分析試料を採取します。 採取した試料は分析機関に依頼し石綿があるかないか、及びその含有量を判断します。
レベル別作業
レベル1
レベル2の作業
レベル3の作業
アスベスト除去施工手順
1.調査・有無の確認
事前に打ち合わせを行い、現場調査・アスベストの有無の確認を行います。
2.各省庁に届出
工事着工2週間前までに、関係法令・条例に基き届出を行います。
3.機材・資材搬入
工事に必要な機材・保護具資材などを現場に搬入します。
4.作業区画を隔離養生
外部へのアスベスト飛散を防ぐため、養生シートで場所を覆い、作業区画を隔離します。 また、作業場には各種掲示表示を行います。
5.負圧除塵装置設置・運転
アスベストの飛散を抑えるためフィルター付き負圧除塵装置を設置し運転します。
6.飛散抑制剤の散布
飛散抑制剤(潤湿剤)アスベスト全面に散布を行います。 また、下地まで十分に浸透していることを確認します。
7.アスベスト除去作業
手作業による除去作業を行います。また除去した箇所の残存アスベストはブラ ッシングを行い、丁寧にしていきます。
8.除去後の処理
除去したアスベストは石綿廃棄物の表示をした専用袋に詰め、湿潤化し、 袋の中の空気を抜いて密封します。 袋は二重結束し、特別産業廃棄物として処分します。
9.粉塵飛散防止剤の散布
除去した表面にまんべんなく、粉塵飛散防止剤(硬貨剤)を散布します。
10.真空掃除機にて清掃
床養生シート撤去後、真空掃除機を用いて清掃を行います。
11.各省庁に完了届け提出
関係法規・条例に基づき監督省庁へ完了報告を提出します。
12.完成検査・完了
完成検査を受け、安心・安全を確認し、作業完了になります。