2013 年 2 月 26 日 火曜日

コンクリート強度推定試験(シュミットハンマー法)【構造物の調査・診断】

コンクリート強度推定試験(シュミットハンマー法)
シュミットハンマーとは、コンクリートの圧縮強度を測定するための機器であり
これを用いた強度測定をシュミットハンマー法といいます。
測定方法は、コンクリートに打撃を与え
返ってきた衝撃により強度を推定する反発硬度法※1の一つで
構造物に損傷を与えずに検査が可能な非破壊検査手法です。
シュミットハンマーにはN型(一般用)、P型(床版壁用)、M型(マスコンクリート用)、
L型(軽量コンクリート用)の4種類あります。
※1
強度の高いコンクリートはその内部が密実であり、
コンクリートの強度と硬度には相関性が見られます。
この相関性からコンクリートの硬度を測定することにより
その強度を推定する手法が反発硬度法です。

強度推定試験のポイント
○点検された測定装置を用いる
 多数回打撃した後や長期間使用しなかった場合にバネの硬さや内部の摩擦等が変化し
 正しい試験結果が得られなくなります。
○乾燥した状態で測定する
 コンクリート表面が濡れていたり湿っている状態で測定した場合と、
 気乾状態で測定した場合とで比較すると反発度が小さくなってしまいます。
○測定は垂直にゆっくりと
 勢いをつけて操作すると、反発度が実際よりも高く測定されることがありますので、
 測定の際は、一定の衝撃が加わるようにゆっくりと操作する必要があります。
○材齢28日から91日の間に測定
 シュミットハンマーを用いた反発度の測定結果とコンクリート圧縮強度の関係は
 コンクリートの材齢により変化すると考えられています。
 しかし、必ずしも強度推定の精度が向上するとは言えないため、
 材齢28日から91日の間で測定し補正係数を用いないようにします。
 材齢28日から91日の範囲外での測定になった場合は、
 材齢補正係数表を用いた補正を行います。

-特徴-
長所
・非破壊検査手法であり、構造物に損傷を与えることなく測定ができます。
・機器が軽量で、測定も簡便で容易に行えます。
・容易に多数の測定が行えることから、強度分布の測定が可能です。
短所
・硬度から強度を推定する方法であり、他の測定方法に比べ精度はやや低いです。
・コンクリートの湿度や表面の粗さにより、測定結果が影響をうけます。
・厚さの薄いコンクリートでは正確な測定ができないことがあります。
長所短所をまとめますと
 構造物を破壊せず簡便に行えることが利点ですが、精度の面ではやや劣る手法です
 簡易的に強度を確かめる場合は、シュミットハンマー試験
 厳密な強度を確かめる場合ならコアを採取した圧縮強度試験が効果的です。