2014 年 12 月 2 日 火曜日

既存壁式鉄筋コンクリート造等の建築物の簡易耐震診断法

コンクリートの圧縮強度は、鉄筋コンクリート造建築物の
耐震性能を推定する上での重要な要因であり、
当該建築物について慎重な調査を行って確認する。
調査方法は、原則としてコンクリートコア圧縮試験によるものとし、
建築物の任意の3箇所以上で採取したコンクリートコアによって
圧縮試験を行い、試験結果から得られる圧縮強度が全箇所において
13.5N/m㎡以上の大きさとなることを確認するとともに
日本建築学会『壁式鉄筋コンクリート造設計基準・同解説』等を参考に
平均値ならびに1/2を超える箇所の圧縮強度試験結果の値が
18N/m㎡以上となることを確認する
建築物からのコア採取が困難な場合には、シュミットハンマー法によっても良いが
シュミットハンマー法による試験結果の反発度と圧縮強度との間には
大きなバラつきがあることが知られており、これを考慮して
コンクリートコア圧縮強度試験の要件と等価な条件として
シュミットハンマー法による試験結果の反発度Rの最小値を30以上となることを
確認することとする。
なお、建築物のコンクリート強度を代表すると思われる箇所であれば
調査は当該住戸以外の場所を対象としても良い
建築物の構造形式を調査した結果、壁式プレキャスト鉄筋コンクリート造の
建築物であることが判明した場合は、コンクリート強度の確認を省略しても良い
–経年劣化–
建築物の劣化状況等が次のすべてに該当していること
1.耐力壁の撤去、開口の設置などの構造的な改修履歴がないこと
2.傾斜角が1/200を超えていないこと
3.耐力壁・壁ばりに著しいひび割れ(0.5mm以上)が生じていないこと
4.雨漏り、鉄筋に錆の発生がないこと
5.コンクリートの剥離、剥落が生じていないこと
6.仕上げ材(仕上げモルタル、陶器質タイル、炻器質タイル)の割れ
  欠損または剥がれがないこと
7.火災経験がないこと