2013 年 4 月 18 日 木曜日
鉄筋採取引張試験【構造物の調査・診断】
鉄筋採取引張試験とは
鉄筋を引っ張って塑性変形が進行すると
表面の塗装に細かいひび割れが入り、剥げ落ちてきます。
これは塗装が大きなひずみに耐えられなくなるためです。
剥落はすべての場所で一様に生じており、
原子間の滑りが鉄筋全体で生じていることを物語っています。
なお、この状態で鉄筋は最初の長さの1.1倍近くに達しています。
つまり、長さ方向のひずみ度は10%です。
直径方向には、体積一定のため約5%の圧縮ひずみ度になっています。
採取鉄筋による引張試験は
JIS Z 2241『金属材料引張試験方法』に準拠
作業手順
1.サンダー等を用いて、露出した鉄筋を切断し採取
2.鉄筋を切断採取した箇所に補強筋を結束
3.切断採取した鉄筋の質量を計測し、引張試験機で鉄筋引張強度を測定
※鉄筋が露出し、腐食した箇所を採取して引張強度試験を行うこともできます。