2014 年 12 月 10 日 水曜日

JIS G 3112 鉄筋コンクリート用棒鋼

JIS G 3112 鉄筋コンクリート用棒鋼には
・SR235
・SR295
・SD295A
・SD295B
・SD345
・SD390
・SD490 があります。
-SR235の規格-
SR235は、鉄筋コンクリートのコンクリートを補強する鉄筋として設計されている
JISによる鉄鋼材料の一つです。
但し、記号SRから始まるものは、通常の鉄筋のように表面に凹凸となる
リブや節がありませんので、コンクリートに対しての引き抜き力という面では弱くなります。
数字の『235』は降伏点(耐力)の最小値を示しており、この材料でいえば
235N/㎟以上ということになります。
成分値の規定はないものの引張強さについては380~520N/㎟と
最小値と上限が規定されている。
-SD295の規定-
SD295Aは鉄筋として一般的なグレードですが、
高層ビルなどの建築物や大型の土木工事など高強度用途にはあまり適しません。
また、降伏点は最小値のみ設定されていて、その範囲が不明の為
建築用途や構造物に使う場合、崩壊メカニズムの計算がしにくいです。
このグレードには成分値に炭素値が規定されていませんので
炭素当量により溶接性を見ることができませんが、
引張強さについては440~600N/㎟と範囲化されていますので
棒の表層にリブを設けた異形棒鋼型のものとしては
唯一、降伏点の範囲が定められていないタイプとなります。
汎用性の高さや流通性のよさから鉄筋としてはSD295Aは
よく見る部類です。
他にも末尾の記号が異なるSD295Bというグレードもあり、
こちらには降伏点(耐力)の範囲設定が295~390N/㎟とあるため似てはいますが、
明確に違うスペックを持つ鋼材です。
降伏点(耐力)の範囲が指定されているグレードというのは設計時に破壊強度や
破壊される際のメカニズムについても想定がしやすくなるという利点があります。
-SD345の規定-
SD345は鉄筋コンクリートにおける鉄筋部分に使われる鉄鋼の規格です。
JISでは棒鋼として7種類が規定されているが
このグレードからは炭素当量にあたる炭素とマンガン量の合算値が
成分規定に盛り込まれているため溶接性について、
ある程度コントロールされた材料と言える。
鉄筋材料としては、かなりポピュラーな部類で流通量の比較的多いと言えます。
降伏点が345~440N/㎟の範囲で設定されている為、建築材や構造材としての
崩壊メカニズムの計算もしやすい部類です。
大型の構造物や高層建築など高強度用途の主筋としては
さらに強度が求められることがあり、その場合はSD490といった
さらに高張力タイプの使用を検討することになります。