外壁の傾斜【鉄筋コンクリート造】
外壁の傾斜とは、外壁が鉛直面に対していずれかの方向へ傾いていることをいいます。
外壁の傾斜には、面外方向への傾斜と面内方向への傾斜があります。
外壁の傾斜が発生した場合は、建物全体が傾斜しているかどうかを確認するために
傾斜方向に注意し、構造耐力上主要な柱を含め、建物全体が同一方向へ傾斜しているか、
又は部分的に壁面が傾斜しているかを確認します。
鉄筋コンクリート造の建物は、地震や風等の水平荷重に対して部位ごとではなく
全体が変形し、床の傾斜や基礎の沈下を伴わない外壁の傾斜は、
一般的に少ないと考えられています。但し、通常では想定しない過大な外力を受けると、
ひび割れ、鉄筋の降伏等によって特定部位に残留変形が生じる場合もあります。
【発生原因】
1.適切な設計・施工でも通常起こりえる軽微な傾斜
適切な設計・施工が行われていても、施工誤差等により
軽微な傾斜は発生することがあります。
2.基礎の沈下
基礎が何らかの理由で沈下した場合等、これに連動して
外壁の傾斜が発生することがあります。
3.不適切な外壁の設計
外壁の設計段階において、以下の事項に不適切な点がある場合には、
外壁の傾斜につながることがあります。
①柱・大梁・小梁・壁のコンクリート及び鉄筋の規格
②柱・大梁・小梁・壁の断面寸法等
③柱・大梁・小梁・壁の配筋方法
4.不適切な外壁の施工等
外壁の施工段階において、以下の事項に不適切な点がある場合には、
外壁の傾斜につながることがある。
(材料)
①コンクリート・鉄筋の品質
(施工)
①柱・大梁・小梁・壁の断面寸法等
②柱・大梁・小梁・壁の配筋方法
③型枠・支保工の組立て方法
④コンクリートの打込み・締固め
⑤コンクリートの養生
⑥工事中の一時的な過荷重の積載
弊社では、下げ振りを用いた調査を承っております。
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