2022 年 5 月 9 日 月曜日

特定天井

特定天井とは
特定の条件※を全て満たす天井は特定天井となります。
※特定の条件とは
・天井高さが6m超あり、かつ水平投影面積200㎡超、
 天井面構成部材等の単位面積質量が2kg/㎡超の吊り天井
・人が日常利用する場所に設置されている吊り天井

建築基準法施工令第39条1項では、『風圧』並びに『地震』
その他の『震動』及び『衝撃』によって
脱落することがないよう対策を講じることが規定されていました。
しかしながら、2011年(平成23年)の東日本大震災において
建物よりも『津波』と『天井(吊り天井等)落下』の被害が
多く発生したことから天井の脱落・落下防止対策を強化することが
必要となりました。
その結果、これまであった建築基準法施工令第39条に
第3項が追加され、国土交通大臣が指定する『特定天井』については次の事項を
制定・改定されました。
特定天井及び特定天井の構造耐力上安全な構造方法を国土交通大臣により定める
・建築基準法施行令第39条第3項の規定に基づき大臣が定める技術基準に従って
 脱落対策を講ずるべきこと。
・時刻歴応答計算等の構造計算の基準に天井の脱落対策の計算を追加する等の
 改正が行われた。

改正施行後の新築物件における特定天井は3ついずれかの
ルートの基準をクリアする必要があります。
3つのルートとは
・仕様ルート
 耐震性を考慮した天井の仕様に適合することで検証する
 (天井の質量2kg/㎡超~20kg/㎡以下)
・計算ルート
 天井の耐震性等を告示で定める計算で検証する
・大臣認定ルート
 構造躯体の特性を時刻歴応答解析で検証する建築物について
 天井の耐震性等を検証する
 複雑な天井等仕様ルート及び計算ルートに適合しない天井の
 耐震性等を実験及び数値計算で検証する

既存建築物においても『落下防止措置』を設けるよう定められています。
『落下防止装置』
地震等で大きな衝撃があった場合でも天井が落下しないよう
ネット・ワイヤー・ロープによって天井を吊るように対策を
講じる必要があります。

特定天井は特定建築物調査(定期点検)の調査対象です。
基本的に目視にて天井の劣化・損傷を調査します。

文部科学省の特定天井の定義
屋内運動場等(屋内運動場、武道場、講堂、屋内プール)については、
天井高さが6m超または水平投影面積200㎡超、天井面構成部材等の
単位面積質量が2kg/㎡超の吊り天井は特定天井に準じる天井としている。